吹き抜けの間取り エアコンと上下の温度差

人気がある吹き抜けの間取りですが、1階と2階の温度差が生じやすい間取りでもあります。

エアコンをつけたけどなかなかな冷えない(暖まらない)といった話をよく聞きます。

空間が広いというのも原因の一つですが、それ以外にも暖かい空気は上に行き、寒い空気は下に行くという特性によって、温度差が生まれやすくなっています。

今回は真夏を想定し、1階と2階のエアコン(冷房)をそれぞれ個別に運転した場合、どのような温度分布になるかをSimulationで検証してみました。


■Simulationに用いた条件

・季節:夏 外の気温35℃

・エアコンの吹き出し温度:25℃

・エアコン吹き出し流速:5m/s

間取りは下記のようになっています。1階と2階が吹き抜けになっており、窓は合計7個です。




■Simulation結果

Simulation結果の温度分布を下記に示します。条件の一つ目は1階のエアコンのみを運転した場合(左側)で、2つ目は2階のエアコンのみを運転した場合(右側)です。


1階のエアコン(冷房)のみを運転した場合は1階は26℃程度ですが、2階は28℃以上になっています。2階のエアコン(冷房)のみを運転した場合は全体的に27℃~28℃になっています。

当たり前といえば当たり前ですが、冷たい空気は下に行く特性がありますので、1階のエアコンを運転しても冷たい空気は上には行かずに2階に暖かい空気が溜まってしまいます。一方で2階のエアコンを運転た場合は、1階に冷えた空気が流れてしまい、2階は暖まりにくい傾向があります。

 冬の場合は計算はしていませんが、今回と逆の傾向になるはずです。


■まとめ

 このように憧れの間取りである吹き抜けも、エアコンの効果という観点では注意が必要になります。

家族が多くの時間を過ごすのは何階なのか?気温が低い朝、気温が高い昼はそれぞれどこで何をしているのか?寒さが厳しい地域なのか、

暑さが日々強い地域なのか?

ということを考えなくてはいけません。

 それらを踏まえた上で、エアコンの配置、暖房器の配置、床暖房の有無などを組み合わせて快適な空間を作っていきましょう。


■この記事の続編↓

空間の空調を最適化する

Simulation技術で空調を最適化する

0コメント

  • 1000 / 1000