家具とエアコンの配置について


家具がエアコンの風の邪魔をしないのか?ということを気にされるお客様がいらっしゃいます。今回はそんな悩みに対して、Simulation検証してみます。

■Simulationに用いた条件(夏 冷房運転時)

下記の条件において、家具の有無で温度分布がどうなるかを検証しました。

・季節:夏 外の気温35℃

・エアコンの吹き出し温度:25℃

・エアコン吹き出し流速:3m/s

・家具として「机」と「ソファー」を設置

・部屋の大きさ:9m×5m

・窓の数:4個

間取りは下記のようになっています。部屋の中央に机とソファーを置きました。

■Simulation結果(夏 冷房運転時)

 Simulation結果の温度分布を下記に示します。条件の一つ目は家具を配置した場合(左側)で、2つ目は家具を配置しなかった場合(右側)です。エアコンの風は天井に沿って水平方向に吹出しています。

2つを比べてみても大きな差はありません。

今回のケースでは、エアコンの風を天井に沿って水平に吹出しており、ソファーと机などの背が低い家具では、風の通り道を邪魔しなかったためだと考えられます。

(ちなみに冷房の場合、冷たい空気は下に下がりますので、天井に沿って水平に風を出した方が、部屋全体をくまなく冷却するには効率が良いとされています。)


■Simulationに用いた条件(冬 暖房運転時)

・季節:夏 外の気温0℃

・エアコンの吹き出し温度:23℃

・その他部屋の形状、家具の配置などは夏と同じ条件


■Simulation結果(冬 暖房運転時)

 Simulation結果の温度分布を下記に示します。条件の一つ目は家具を配置した場合(左側)で、2つ目は家具を配置しなかった場合(右側)です。エアコンの風は水平方向に対してに45°で吹出しています。

左図をみるとソファーにエアコンの風が当たり、方向が変わっていることが確認できます。家具がない場合と比べても若干ですが温度分布が変わっていることが分かります。



■まとめ

今回の検証によりエアコンの風向きによっては家具に風が当たり、部屋の温度分布が変わる可能性があることが分かりました。

 また、今回のSimulationの条件とは違いますが、家具をエアコンの近くに設置した場合は、より影響が大きくなると考えてよいでしょう。

 もし、家具の影響が気になる場合は風向きを水平にすることて、家具の影響を避けることができます。冷房運転時にはそれで問題がないのですが、暖房運転時には天井に暖かい空気が溜まりやすくなってしまうデメリットもあります。


 今回検証したように、家具の配置によってはエアコンの効きに影響が出てくる可能性があります。特に暖房の場合、エアコンの風が家具に当たってしまい部屋の温度に差ができてしまうこともあるでしょう。もし暖房運転時に部屋の温度差が気になったら、風が家具に当たっていないかを確認してみましょう。


 



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